陰陽調和の重ね煮と無水の重ね煮:それぞれのメリット

重ね煮

はじめに

重ね煮には水を入れて火にかける「陰陽調和の重ね煮」と

水を入れない「無水の重ね煮」というものがあります。

2つの調理法の違いや
それぞれのメリットをお伝えします。

重ね煮とは

重ね煮とは、東洋の自然観から確立された調理法で、陰陽の順番を守って重ねることで
火にかけた時に素材のエネルギーの対流が起こり
身体にちょうど良いバランスのエネルギー状態(中庸)に調和させてくれるという調理法。
中庸の食材はいつ食べても良いとされていて身体の調和を保ってくれる食の軸となるような食べ物です。

陰性の食材も、陽性の食材もいつ食べても良いとされる中庸の状態にしてくれる重ね煮。
私にとってはもはや魔法の調理法です。
これを食べ続けていれば身体のバランスがとれるんじゃないかと。

重ねる順番は、陰性の食材は下に、陽性の食材は上へと重ねていきます。
例えば、根菜など土の下にできる食材は陽性で、土の上にできる葉物の食材は陰性です。
中庸の食材(玄米などの穀類、豆類)がある場合は一番上に重ねます。

重ね煮では一物全体食の考えのもと、食材を丸ごと使います。

一物全体食の考え方

一物全体食(いちぶつぜんたいしょく)とは
「食物は全体で一つの命、それを余すところなくいただく」という考え方です。

野菜だったらなるべく皮を剥かず、葉っぱや根っこまで使う。
魚は切り身ではなく、丸ごと食べられる小魚を食べる。
お米だったら白米よりも皮ごとの玄米を食べる。

重ね煮で使う食材はできるだけ、無農薬や有機野菜を使うのが理想ですが
理想が高すぎて続かないのでは本末転倒。
なので私はスーパーの野菜でも丸ごと使っています。
要は、自分がモヤモヤしない食材、方法を選ぶことが大事だと思っています。
スーパーで買って農薬が気になるなら皮をむけばいいし
気にしないならそのまま使えばいいと思います。
気にしすぎたり罪悪感を抱く方が、よっぽど心身にストレスを与えて
ダメージになると考えています。

自分が気持ちよく美味しく食べられることが一番大事。

重ね煮の味付け

重ね煮は食材のエネルギーを調和すると同時に食材の旨みが
しっかりと引き出されるため、だしは不要。
味付けはシンプルにして素材の味を楽しみます。
塩を基本に、醤油、みりん、味噌などを使って薄味に仕上げます。

もちろん、他の調味料で洋風や中華風にもアレンジ可能。

陰陽調和の重ね煮の特徴

水を使った陰陽調和の重ね煮は、エネルギーの対流をスムーズに起こして
火の通りを早めるため短時間で出来上がります。
汁物や煮物の調理に適しています。
味噌汁なんかは動物性のだしを使わなくても最高に美味しくできます。

無水の重ね煮の特徴

無水の重ね煮は水を入れずに弱火でじっくり
食材から水分を引き出すため時間がかかります。

上記ブログ記事の味噌汁の具材で水分を入れずに作る
「しいたまにんじん」のベースがいわゆる無水の重ね煮の代表選手。

このベースを使うと味噌汁の具材、青菜の和え物、コロッケや春巻きの具材、
豆腐や魚のあんかけなど時短で驚くほど美味しくできます。
作り置きしておくと色んなアレンジが可能。

こちらのレシピの重ね蒸しも無水の重ね煮に近いです。
重ね蒸しは短時間でシャッキリ色鮮やかに美味しく仕上がるのが魅力。

終わりに

陰陽調和の重ね煮と無水の重ね煮。
どちらもそれぞれ魅力があります。

日々の料理をもっと楽しく美味しくするために、
ライフスタイルや料理の種類に合わせて
お好きな重ね煮のスタイルを取り入れてみてください。

重ね煮は季節の食材やあり合わせの食材など
バリエーションは無限です。自分の好みに合わせてアレンジしてみると、
新しい味わいを楽しめ食卓がより豊かになりますよ♪

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